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しょうわゆうげきたい

昭和遊撃隊

平田 晋策

「少年倶楽部」1934(昭和9)年1月号~12月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 102,452 字 · 208 页

青空文庫

しかし、航空母艦『オリオン』だけは、かすり傷一つ負っていない。荒鷲爆撃機は、昭和遊撃隊を屠って、フーラー博士の元気はものすごい。

『オリオン』は、金剛石砲台の祝砲をうけながら、しずしずと紅玉湾へ入った。

波止場には、新司令官フロスト陸軍少将が、守備隊をひきつれて出ている。

フーラー博士は『オリオン』からモーター・ボートにとび乗った。

ボートは、青い青い水を切って、傷ついた戦艦『メーン』の舷についた。舷梯がなくなって、縄梯子がぶらりと下っている。

フーラー博士は、ひらりと縄にとびついて、するすると甲板へよじのぼった。

ヤーネル大将の後をついだ司令長官グレー中将と参謀長が、博士にかけよった。二人とも服は破れ、眼はくぼみ、病人のような姿をしている。

「日本海軍は敵ながら強かったよ。もし君がいなかったら、僕らは世界の恥さらしになるところだった。わが海軍は『荒鷲』にたいして恥ずかしいよ。」

参謀長は、博士の毛むくじゃらの手を、しっかりとにぎった。

「なあに、日本海軍なんか恐れることはありませんよ。さすがの昭和遊撃隊も、僕の『荒鷲』にかかっては、意気地がありませんからね。