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しょうわゆうげきたい

昭和遊撃隊

平田 晋策

「少年倶楽部」1934(昭和9)年1月号~12月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 102,452 字 · 208 页

青空文庫

アーサー少年は、なんだか怖くなって、ぶるぶるふるえて来た。

「お父さまは、偉い。戦の神さまかもしれない。……しかし。なんだか日本人を憎みすぎている。そして白人をえらく考えすぎているのじゃないかしら? それは間違だ。東洋人だって偉いんだ。仏陀も東洋人だ。孔子も東洋人だ。そして、あの大提督トーゴーだって、みんな東洋人だ。東洋人を軽蔑するのは、いけないことだ。

それに、それに、お父さまは、愛国心だけで戦っているのではない。武田博士に負けて口惜しいから、戦っていらっしゃるんだ。いやしい、恐しい復讐心から、戦っていらっしゃるんだ。

それはいけない。……ああ神さま。僕のお父さまは、悪魔にとりつかれていらっしゃるんじゃないでしょうか?

ああ、もし、そうなら、僕はどんなに悲しいでしょう。亡くなられたお母さまも、きっときっと天国で悲しんでいらっしゃるにちがいない。……」

アーサー少年は、眉をくもらして、そっと硝子戸の外をすかし見た。

外は月がないのか、まっ暗だ。大王椰子の葉がざわざわとゆれて、遠くの方で、かすかに、海鳴の音がしている。

フーラー博士らの秘密会議は、いつまでもいつまでもつづき、歩哨は眠い眼をこすって、小屋のまわりを、ぐるぐるめぐりつづけた。