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しょうわゆうげきたい

昭和遊撃隊

平田 晋策

「少年倶楽部」1934(昭和9)年1月号~12月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 102,452 字 · 208 页

青空文庫

B国艦隊は逃げた

B国艦隊は逃げた

フーラー博士が、日本征服の恐しい計画をめぐらしている時、碧海島では、武田博士が、富士洞窟の中で、一心に潜水艦『富士』の工事を急いでいた。

小笠原島へ出て行った『最上』と『千代田』『秋津洲』は、B国艦隊と出あったが、どうしたのかB国艦隊は、わが遊撃隊を見ても、弾を射とうとしない。

「変だなあ。あいつら、日本を攻めに来たのじゃないのか?」

木下大佐は、照準望遠鏡をのぞきながら、頭をかしげた。

鏡にうつるB国艦隊の姿は、雄大なものである。

先頭を進むのは、旗艦『ドラゴン』(竜)だろう。四万噸の一大浮城は、さすがに大きい。つづくは戦艦『アキレス』『クリシナ』(戦の神)である。

戦艦八隻以下百五十隻の大艦隊は、小笠原島を遠まきにして、ぐるぐるとまわっている。

『最上』が近づいて行くと、『竜』は、祝砲をはなった。そして、

「我れ南洋カムデン軍港に帰る」

と、信号旗をかかげ、取舵一ぱいくるりと左へまがると、そのまま全艦隊をひきいて、南の方へ逃げて行った。

「どうしたんだろうね。」

木下大佐が不審がると、小川中佐は、冷笑して、

「きっと、遊撃隊が怖いんですよ。