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しょうわゆうげきたい

昭和遊撃隊

平田 晋策

「少年倶楽部」1934(昭和9)年1月号~12月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 102,452 字 · 208 页

青空文庫

さすがは『荒鷲』だ。つづいて陸軍火薬庫を爆撃しようとしたが、その時西南の空から、矢のようにとんで来たのは、勝利にかがやく武田博士の『富士』だ。

それを見て、

「もう、これまでだ。この上は、せめて、太平洋へ出て死のう。」

と、フーラー博士は、舵を南へ向けた。

『富士』は、見る見る近づいた。恐しい形だ。すごい姿だ。アーサー少年は、気が遠くなりそうだった。

「逃げるな、卑怯者!」

『富士』から聞える声は、武田博士だ。

「卑怯ではない。みにくい屍を敵国の土にさらしたくないのだ。」

フーラー博士は、いたましい声をしぼって、こたえた。その眼には、涙がうかんでいる。

『富士』は、フーラー博士の意外な、いさぎよい返事に、しばらくだまっていたが、やがて、また武田博士の声がした。

「わが友フーラー博士よ。君の御決心に同情と尊敬をささげる。よし、行きたまえ。太平洋へ!……小笠原の北に、わが根拠地碧海島がある。その上空で、君と僕と一騎討をしようではないか。じゃ、しばらく、さようなら。」

声が消えると、怪物『富士』は、たちまち雲間へかくれてしまった。

「武田博士よ、ありがとう。」

フーラー博士は、ただ一言。