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しょうわゆうげきたい
昭和遊撃隊
平田 晋策
「少年倶楽部」1934(昭和9)年1月号~12月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 102,452 字 · 208 页
しかし、わが『富士』は、鋼鉄の翼をひろげて、かれらの行手をさえぎった。
「『荒鷲』爆撃隊よ。降伏せよ。第一中隊は、東京湾上で全滅したぞ。」
武田大佐の警告につづいて、清少年が大声でさけんだ。
「ぐずぐずすると全滅ですよ。はやくはやく、降伏のしるしに、九十九里浜の海岸へ降りて下さい。」
『富士』は、長さ百米の大きな翼から、青白いロケットの煙をはきながら、『荒鷲』隊のただ中へ突進した。ごオーッと一陣のつむじ風がまき起る。
六機の『荒鷲』は、悲鳴を上げて四方へ散った。
「さあ、はやく降伏なさいッ。これが最後の警告ですよ。」
清君の声が勇ましくひびく。
おびえた敵の一機は、血まよって東へ逃げ出した。いくら逃げたって、波また波の海原へ墜落するのはきまっているのに。
「まてッ、またぬと射つぞッ。」
『富士』の第一砲塔二門の十三糎砲が、赤い火をひらめかした。砲声が、きみ悪く雲間にひびきわたる。アッ、逃げる『荒鷲』が、ぐらぐらとかたむいた。焔が吹き出した。あわれな敵機は、右の翼を折られて、きりきりと波間へまい落ちるのだ。ざぶり、まっ白いしぶきが、赤黒い煙と一しょにわき上った。