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しょうわゆうげきたい
昭和遊撃隊
平田 晋策
「少年倶楽部」1934(昭和9)年1月号~12月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 102,452 字 · 208 页
「武田博士、いよいよ決戦だ。劣等なる日本人よ、わが『荒鷲』の攻撃を見よ!」
一陣の風の音にまじって、フーラー博士の、にくにくしい声がひびきわたった。
『荒鷲』は、さか落しに、『富士』におそいかかる。機関砲の火が、火竜のふく焔のように、中空に光った。つづいて、フーラー毒ガス弾が発射せられ、しばしの間、わが『富士』は毒ガスの煙につつまれてしまった。
ああ、もしかしたら、さしもの『富士』も、この化学兵器の奇襲には、たえられないのではなかろうか?
そうだ。この日の朝、もしも長岡液を品川の沖で、つみこむことが出来なかったら、『富士』は、この一撃で敗れたかも知れない。たとえ、どんなに戦闘力が強くても、猛毒のフーラー・ガスをふせぐ薬がなかったとしたら、二千噸の空中無敵軍艦も、青い煙につつまれて、身もだえしながら、波間へ墜落しなければ、ならなかっただろう。
しかし、いまは、長岡液を持っているのだ。毒に犯される前に、砲塔にも、翼にも、くまなく、すっかりうす赤い液がぬられている。
見よ。間もなく『富士』は、煙をはらうて、穂高岳の上空へかけ昇った。
そして、何思ったか、『荒鷲』