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しょうわゆうげきたい

昭和遊撃隊

平田 晋策

「少年倶楽部」1934(昭和9)年1月号~12月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 102,452 字 · 208 页

青空文庫

号が一隻あるきりだと思っていたのに、――思いもかけぬ、この南海の一孤島に、紅い朝日の軍艦旗をひるがえして、ぴかぴか光る長い砲身を、ぐっと突き出した潜水艦が、ものすごくもたのもしい勇姿をあらわしたのだ。

「兄さん、これじゃサルコフ号に負けませんねえ。」

清君は、泣き出したいくらいうれしいのである。武田博士は大きくうなずいて、

「負けるものか。後甲板を見ろ、倉庫のようなものがあるだろう。あの中には神風式戦闘偵察機が入っているんだぞ。――そして、中の機関も武田式に取りかえたんだ。」

――ああ、この精鋭で、太平洋を暴れまわったら、どんなに痛快だろう。清少年は胸がぞくぞくして来た。

その時、谷兵曹長が口を出した。

「清君。武装が変ったから、名前も変って、この艦の名は、今では『八島』です。」

「ずっと昔の戦艦の名前だね。」

そうだ。清君は、よく知っている。日露戦争の時、旅順の沖で壮烈な、勇ましい最期をとげた、名誉ある大戦艦の名だ。第二世『八島』も、ハワイ真珠軍港の沖で、第一世の『八島』に負けぬような、奮戦ぶりを見せたいものである。

「しっかりやれよ。」

清君は内火艇の甲板に立ち上り、しだいに遠くなる『八島』