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しょうわゆうげきたい

昭和遊撃隊

平田 晋策

「少年倶楽部」1934(昭和9)年1月号~12月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 102,452 字 · 208 页

青空文庫

哀れ神風偵察隊

黒雲はいよいよひろがって、あたりはだんだん暗くなる。波の音と風の声が、悲しい悲しい叫をあげる。

※(「火+華」、第3水準1-87-62)代さんは沫にぬれた頬をふきもしないで、じいーっと『荒鷲』の姿を見つめるのであった。

恐しい敵機は、四千米の高さで迫ってきた。黒雲につつまれて、見えたりかくれたりしている。

「ああ、又見えなくなったわ。」

※(「火+華」、第3水準1-87-62)代さんは望遠鏡を離して、そっとハンカチで顔をふき、悲しいため息をついた時、

ひゅーっ

と一陣のはげしい風が吹いた。そして見よ、さっきまで檣の上に紅の色あざやかにひるがえっていた戦闘旗が、さっと二つに引きさかれてしまったではないか※(感嘆符疑問符、1-8-78)

「まあ。」

※(「火+華」、第3水準1-87-62)代さんは色青ざめて、それが何かしら凶いしらせのように感じた。

波はいよいよ荒くなって来る。

哀れ神風偵察隊

諸君。僕は『最上』と『荒鷲』との戦闘をお知らせする前に、勇敢なわが神風偵察隊の最期を見とどけなければならない。

敵の戦闘機十八機を射ちおとして、空中戦に勝ったわが神風偵察隊の残った八機は、母ともたのむ遊撃隊に見すてられて、巣のなくなった鳥と同じだ。