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しょうわゆうげきたい

昭和遊撃隊

平田 晋策

「少年倶楽部」1934(昭和9)年1月号~12月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 102,452 字 · 208 页

青空文庫

」

博士の顔には、くらい影がさした。

――米国には武田博士の好敵手フーラー博士がいる。昭和四年に東京でひらかれた世界工業大会で、二人は汽船の機関について大激論をやった。そして武田博士が勝ったのだ。

その時にフーラー博士は口惜しそうな顔をして、

「僕は今日かぎり造船学の研究はやめる。そして明日から航空学の研究をはじめるのだ。」

と宣言した。そして、

「汽船や軍艦はもう時代後だからね。これからは何といっても飛行機だよ。――」

と憎まれ口をたたいたのである。

そのフーラー博士が、最近、一通の手紙と、ものすごい爆撃機の設計図を送って来たのだ。

手紙には乱暴な走りがきでこんなことが書いてあった。

「おい武田君、君は相かわらずのろくさい巡洋艦の設計をやっているのかい? よせ、よせ、君のこしらえた巡洋艦なんか、僕の爆撃機にかかったら三分間でお陀仏だよ。

この設計図は僕が二年前に書いたものだ。もうこんなものは僕にとっては秘密でも何でもない反古紙同然だがね。君の国へ持って行ったら五百万円ぐらいには売れるだろう。どうだ、この僕の設計図を日本海軍へ売ってみないか。そしたら君は大金持だ。