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しょうわゆうげきたい

昭和遊撃隊

平田 晋策

「少年倶楽部」1934(昭和9)年1月号~12月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 102,452 字 · 208 页

青空文庫

敵艦隊は出動した

と、恐れているのである。

ああ、わが昭和遊撃潜水隊は、この恐しい大要塞を、どんな計略で攻めようとするのだろうか。又、武器らしい武器を持たぬラノン海賊隊は、どうなるのだろうか。

思えば心細いことである。

敵艦隊は出動した

いや、こちらから攻めて落すことがむつかしいどころではない。諸君、金剛石砲台の上から沖をながめて見よ。

夜の嵐はどこかへ消えてしまって、太平洋の波は、見わたすかぎり、ひくくひくくうねっている。その紺色の海に、ひるがえる三百の軍艦旗!

ああ、向うの岬のはしから、はるか眼に見えぬ沖へかけて、A国太平洋艦隊の陣ぞろいだ。

今や、司令長官ヤーネル大将は、旗艦『ケンタッキー』の檣高く大将旗をなびかせ、日本大遠征の出陣をしようとしているのだ。彼のひきいる艦隊は、

戦艦十五隻

航空母艦七隻

大巡洋艦十五隻

軽巡洋艦十五隻

航空巡洋艦三隻

駆逐艦百六十四隻

潜水艦五十七隻

特務艦四十八隻

ああ三百二十四隻の恐しい大艦隊、これこそ太平洋の『無敵艦隊』である。

旗艦『ケンタッキー』の司令塔には、ヤーネル大将が鷲のような大きな青い眼を光らせ、やせたマハン参謀長は、じっと名残惜しそうに海岸の椰子の林をながめている。