轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

はくはつき

白髪鬼

江戸川 乱歩

「冨士」大日本雄弁会講談社、1931(昭和6)年4月~1932(昭和7)年4月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 112,046 字 · 224 页

青空文庫

この女は生れながらの娼婦であったのだ。

わしはこの隙見によって、川村の奴が、どれ程深く瑠璃子に溺れているかを知ることが出来た。彼は姦婦の柔かい指先の一触によって、たちまち水母の様になってしまった。

「それならいいけれど、じゃ結婚の話は帰ってから極めることにしよう。その時はキット承知させて見せるよ。ね、まさかいやとは云わないだろうね」

川村めさっきの意気込はどこへやら、よしよしとばかり譲歩してしまった。

「エエ、いいわ。その事はあんたが帰ってからゆっくり相談しましょうね。それよりも、そんなことよりも、ね、暫くお別れじゃありませんの。ね、ね」

瑠璃子の目が細くなって、赤い唇が美しく半開になって、何とも形容の出来ない愛らしい表情に変った。そして、その顔がソロソロと上を向き、なめらかな喉の曲線をあらわにして、忍びやかに、川村の唇の下へと迫って行った。

川村の奴、それを見ると、最早耐え得ないという様子で、いきなり両手を相手の背中に廻し、異様なうめき声と共に、瑠璃子の身体をわしの眼界から隠してしまった。

わしは再びそれを見たのだ。嘗ての日、墓穴を抜け出して来た夜、本邸の洋室のガラス窓の外に忍んで見たものを、再び見たのだ。