轻松读懂日语经典作品
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まと
魔都
久生 十蘭
「新青年」博文館、1937(昭和12)年10月~1938(昭和13)年10月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 293,999 字 · 578 页
いずれ一度はこんな場所へ引きずり出される運命を持った御人体。いわばはなはだ場所柄にふさわしいのであった。
真名古はむしろ愛想よく煙草をすすめながら、気軽な調子で、
「どうだ。だいぶひどくやられたか」
笑子は憎体に、ふン、と鼻を鳴らし、
「いいえ、そうでもなかッてよ。みなさん、たいへん、ご親切でしたわ」
「何を訊かれたね」
「名前だの、年齢だの。……年齢は本当のことをいわなくッちゃアいけないんですの」
「そんなことはどッちだっていいだろう。……それだけか」
「それから、……昨夜、岩井と一緒に……」
「つまらんことをきくじゃないか。冗談だったんだろう。それで、何と返事をした」
「失敬よ。いくら職権だって、そんなことにまで立入る権利はなくッてよ」
「それァ、よくない。あとで注意して置く。まア、そうむきになるな」
ニヤリと笑って、
「本当のところはどうだったんだね」
「どッちだっていいじゃありませんか、かッたるい。……警察ッてところは実に下等ね。愛想がつきた」
「そう一概にいったもんでもないさ。……それはそうと、君が「お茶松」へ出入するようになったのはいつごろからだ」
油断のない面つきになって、