轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

まと

魔都

久生 十蘭

「新青年」博文館、1937(昭和12)年10月~1938(昭和13)年10月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 293,999 字 · 578 页

青空文庫

九、日比谷の森揺ぐ事 並に異国風の紳士の事

……まア聞け、これを。……東京麹町区内山下町帝国ホテルに投宿中の皇帝に対し、緊急要件につき昨卅一日午後より再三再四打電するも未だ何の返電なし、大日本帝国内務大臣におかれて、皇帝が安全確実に帝国ホテルに滞留せらるるや並びに返電を妨害すると思惟せらるる一切の事情を御調査の上、至急御返電願いたき事。……え、どうだ、谷口君。これじゃまるでわれわれが電報の横取りでもしてるような口調じゃないか、失敬極まる。皇帝が返電を出そうと出すまいと何でわれわれの知ったことか。……然し、皇帝の通信を妨げているような事情がもし日本の側にあるのだとすれば……これァこの儘に放って置くわけにはゆかん。弱った弱った」

と額をおさえて呻吟していたが、急に立上って秘書官の傍へ行きその肩を掴むと、

「俺にはそんな予感がする。……おい、谷口君、見ていろ、われわれはいまにきっとひどい目に逢うから」

九、日比谷の森揺ぐ事

並に異国風の紳士の事

夕陽新聞社長幸田節三が社運を賭しての大賭博、一月元日の午前九時十二分を期して日比谷公園のあの容子のいい噴水の鶴を見事鳴かしてお目にかけようという。子飼いの鶯でもあるまいし、相手は青銅の鶴のことだから鳴かせたいにも機嫌はとりにくいのである。