轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

あさひのよろい

あさひの鎧

国枝 史郎

「時事新報」1934(昭和9)年8月25日~1935(昭和10)年3月16日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 239,520 字 · 475 页

青空文庫

……しかしやっぱり反省してしまって、親切になったり弱くなったり、阿呆になったりするんですよ」

あの夜京都の二条の外れの、桂子の館の築地の外で、気絶していた浮藻を奪って、金地院範覚は最初のほどは、もちろん浮藻を自分のものとし、情慾の犠牲にする意であった。

ところが余りにも浮藻の精神が、その容貌や姿と同じに、清浄であり無邪気だったので、あべこべに感化されてしまった。それはこれまでつきあって来た、鬼火の姥という例の悪婆が、醜悪そのもののような女だったので、その反動からでもあるのであったが、それで範覚は、浮藻の体を、情慾の犠牲にするどころか、その浮藻が命にかけて、ひたむきに恋している土岐小次郎を、どうがなして早く探し出し、小次郎の手へ渡してやろうと、浮藻と二人連れ立って、小次郎を探し廻っているのであった。

桂子の館へも行ってみたが、無人の廃屋になっていた。

その後小次郎が一雑兵として、吉野の官軍に従って、働いていたということを耳にした。

(今でも吉野辺にいるかも知れない)

こう思ってこの地へ来たのであった。

日がだんだん暮れて来た。

いつか道に迷ったらしく、どうにも人里へ出られなかった。