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わかむらさき
わか紫
泉 鏡花
「新小説 第十年第一卷」1905(明治38)年1月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 37,708 字 · 75 页
苞に入れたは何だか知らねえ、血で書いた起請だって、さらけ出さずに済むものか、と立身上りで、じりじり寄って行きますとね。」
「旦那、魅込まれたようにあとびっしゃりをしながら、厭だ、神さまへお初にお目にかけるもんだから、途中で開けることはならないッて申しやす。
親にも見せねえ膚だって了簡をするもんか、一体そン中ア何だッて聞きやすとね。
茄子よ、と吐かすだろうじゃござりやせんか。
人をつけ、いかに陽気が陽気だって師走空に茄子があろうか、小馬鹿にしやがる。」
「むっとしやした。そこで旦那が、御覧じやした通りの体裁、や、抜けつ潜りつ、こやの軽いのにゃ飽倦ッちゃって、二人とも大汗になって、トド打掴え、掛けたのを外しにかかると、俯向けに倒れながら、まだ抵抗う気だ。二人が手とその娘の手先と、胸で指相撲のような騒ぎの処へ、旦那が割込んで来なすったんでね。」
「なあ、おじい。」
「そうよ。」
といって頷いたが、
「大したゆきさつじゃございやせんがね、根がそれ、昔の懐しさに、雲助の式をやッつけた処でござりやすで、いきなり、曲者とか、何とかいって、旦那がギックリとおいでなさりゃ。