轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
わかむらさき
わか紫
泉 鏡花
「新小説 第十年第一卷」1905(明治38)年1月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 37,708 字 · 75 页
室咲
八
もうかれこれ三十年以来というもの、もがりも、ねだりも、勾引も、引落も何にもしねえ。戸籍検べのおまわり様にゃ、這出してお辞儀をして、名前の傍に生年月、日までを書いてある親仁だけれど、この山路に対したって、黙っちゃ引込まれねえんだ。」
「函根の大地獄が火を噴いて、蘆の湖が並木にでもなるようなことがあったら、もう一度、焚火で秋刀魚の乾物を焚いて、往来へ張った網に、一升徳利をぶら下げようと思わねえこともねえんでね。」
「たかが、今時のお前さん。」
「医者だか、学者だか知らねえけれど、畳むに仔細はねえんだが。
(野暮はよせ、金子にせい。)」
「(金子だ、金子だ。)ッてのッけから、器用に拵いておくんなすったで、こりゃ、もし。」
からりと笑って、
「私等の氏神様だ。」
「へへへへ、南無大明神でいらっしゃる。そこで、ひょこひょこ、それかように、」
トひょいと頭を下げた、小田原無宿の太々しさ、昔の状こそしのばるれ。あら、面白の街道や。
室咲
八
「危いこと! 姉さん、もうちっとで、賭博の賽ころになろうとした。」
旅客は娘に引添うて、横から胸を抱くように、美い手袋で、白い前掛を払いながら、親身の妹に語るごとく、