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よっつのみやこ

四つの都

織田 作之助

「映画評論 第一巻四号」1944(昭和19)年4月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 31,005 字 · 62 页

青空文庫

三九 国民学校の校庭。

なので、是非妹さんを訪ねる積りですが、その人の元気な姿を見届けない内は見合いする気になれないんです。……というのは、僕は一生に一遍しか見合いしない主義でしてね、見合いした以上、必ずその人と結婚すると決めてるんです」

バレーのボールが飛んで来る。庄平拾って投げてやる。

庄平「変な主義ですが、つまり見合いした相手の心を傷つけたくない……」

この時、作業開始のベルが鳴る。

節子元気よく起ち上る。

節子「私、お話伺って、もう何も考えずに働けるような気がしますわ、元気に働きますわ、失礼します、仕事が始まりますから」

節子、頭を下げて去る。

三九 国民学校の校庭。

運動会の当日である。

拡声機から音楽が流れている。

それに合せて、女の子達の体操がやがて拍手裡に終る。

拡声機の声「二年女子の団体体操は終りました、次は……」

放送しているのは、小谷初枝だ。

校庭の隅のマイクのかげで、放送しているのである。

初枝「……次は、飛び入りマラソン競争であります、来賓の有志、青年学校、在郷軍人会、壮年団の有志の方は特にふるって御参加願います」

放送の途中で、庄平が、のそっと入って来て、一般観覧席で、きょろ/\している。