轻松读懂日语经典作品
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かげおとこ
影男
江戸川 乱歩
「面白倶楽部」1955(昭和30)年1月号~12月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 154,133 字 · 310 页
毒チョコレート
「でも、あたし、なんだか不安でしかたがない。この二、三日、買い物に出るたびに、だれかに尾行されているような気がするのよ。ですから、ときどき、ひょいと突然ふり返ってやるんだけど、べつに怪しい人は見当たらない。それでいて、絶えずだれかに監視されているように思われるの。あたしこわいわ」
毒チョコレート
「きみは神経質だよ。まさか、このアパートを気づいてはいまい。おそらく偶然だ。びくびくしているもんだから、そんな気がするんだよ」
必ずしも偶然とは思っていないのだけれど、昌吉はわざとのんきらしくいってみせた。しかし、かれも、良斎が殺人請負会社に依頼して、ふたりのいのちを取ろうとしていることまでは、想像もしていなかった。
「でも、あたしも気味のわるいことがあるのよ。ちょっとでも外へ出ると、きっとだれかが、あたしをじっと見つめているような気がするの。歩けば、あとからついてくるのよ。で、不意にひょいと振り向いてやるんだけど、いつでも向こうのほうがすばやいらしいわ。パッとどこかへ隠れてしまうのよ」
美与子は、気味わるそうに、うしろを見た。
「それも気のせいかもしれないぜ。