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しょうわゆうげきたい

昭和遊撃隊

平田 晋策

「少年倶楽部」1934(昭和9)年1月号~12月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 102,452 字 · 208 页

青空文庫

火ぶたを切れ!

の潜望鏡は、青木式光学兵器のいいやつだから、夜でも、よく見える。

大巡洋艦の一隊が、すっかり灯をけして走っている。

「司令、やっつけましょうか。」

剣道三段の鈴木中尉は、腕がむずむずしているらしい。

「まだ、まだッ。こんな奴は見のがしておけよ。」

北浦少佐は、頭をふって、いやいやをした。しばらくすると、

「こいつはどうです。大きな獲物だなあ。航空戦隊ですよ。ね、一発うちましょう。」

鈴木中尉は、一生けんめいにせがむが、少佐は、じっと考えて、

「おい、おかしいぞ。『オリオン』が見えない。」

「変だなあ。僕に見せて下さい。」

清君が、見ると、大きな航空母艦が四隻、縦陣をつくってすすんでいる。

『アリゾナ』『メキシコ』『サラトガ』『ロッキー』だ。沈めた『アマゾン』と同じ型の『オリオン』がいない。

「本当だ。どうしたんだろう。まさか、『秋津洲』が、勝手に沈めたんじゃ、ないだろうな。」

清少年も、頭をかしげて、不しんに思った。

少佐も、清少年も、フーラー博士と旗艦『オリオン』が、マハン参謀長から、秘密の命令をうけて、ま夜中に、こっそり艦隊をはなれたことを知らないのだ。だから、いくら考えたって、わかりはしない。