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しょうわゆうげきたい
昭和遊撃隊
平田 晋策
「少年倶楽部」1934(昭和9)年1月号~12月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 102,452 字 · 208 页
「降伏せよ。」
「どうだい。まるで狩をしているようだろう?」
小川中佐がたくましい手で、※(「火+華」、第3水準1-87-62)代さんの黒髪をそっとなでた。
「ええ、太平洋の巻狩ね。」
※(「火+華」、第3水準1-87-62)代さんは、死のうと思っているんだけれど、敵弾が命中しないものだから、ジャンヌ・ダルクになれないでいるのだ。
「降伏せよ。」
午後の四時ごろになると、敵艦隊で残っているのは、『ケンタッキー』や『ジャガー』など、戦艦七隻だけになった。
旗艦『ケンタッキー』では、ヤーネル大将が、艦橋で、がんばっている。負傷したのか頭に繃帯をぐるぐる巻いている。参謀長のマハン少将は、ところどころ赤く血のにじんだ軍服も破れ、色が青ざめて眼ばかりぎろぎろ光っている。
「長官、もう駄目です。昭和遊撃隊は、まるで化物です。巡洋艦のくせに、三十六糎の砲弾が命中しても沈まないんですからね。」
「うん、『千種』も『吉野』も、沈まないね。ひょっとしたら、あいつら、戦艦と同じ、重い装甲をしているんじゃないかな。」
ヤーネル大将は、うらめしそうな眼で、じっと『最上』をにらみつけた。本多鋼鉄の強さを知らない大将らには、遊撃隊が、不思議な怪物に見えるのだ。