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しょうわゆうげきたい

昭和遊撃隊

平田 晋策

「少年倶楽部」1934(昭和9)年1月号~12月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 102,452 字 · 208 页

青空文庫

大佐は泣いている。黒い髭に、涙の露がたまっている。

「みんな海の底にいるよ。※(「火+華」、第3水準1-87-62)代さん、遊撃隊で生き残っているのは、もう、わが『最上』きりだよ。」

「ええッ?」

「悲しい最期だ。わしは、……お上に申しわけがない。これを見てごらん。」

大佐は、ポケットから、二、三枚の紙をとり出した。

「フーラーの字だよ。」

※(「火+華」、第3水準1-87-62)代さんは、だまって、その紙をうけとった。わなわなとふるえる手で、ひらひらと、大きく『荒鷲』のしるしが印刷してあって、その下に、みみずのような、乱れた走りがきだ。

フーラー博士の手紙

「眠れる『最上』艦長よ。フーラー毒ガスのききめで、君の遊撃隊は、みんなねむってしまっている。まるで死人の艦隊だね。

僕は母艦『オリオン』の士官と水兵をつれて、今、君の『最上』を隅から隅までしらべたのだ。もう武田式エンジンの秘密はすっかりわかった。青木光線の秘密もさぐったぞ。長岡式毒ガスの正体もわかった。(しかし、これはフーラー毒ガスより劣っているね)

これで、僕の『荒鷲』は、いよいよ強くなるぞ。