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しょうわゆうげきたい

昭和遊撃隊

平田 晋策

「少年倶楽部」1934(昭和9)年1月号~12月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 102,452 字 · 208 页

青空文庫

群を乗せた運送船は、紅玉島を出帆しているかも知れない。

しかし、清君、心配は御無用だ。

碧海島の入江を見よ。

巨鯨のように浮かぶ一艘の潜水艦!

その形は、ちょっと『八島』や『千代田』に似ているが、舷が、ひどくふくれて、厳しい恰好をしている。そして舳に、大きい鋼鉄の瘤がある。

大砲は『八島』より小さく、十三糎だが、前後に六門も備えている。

これぞ、いわずと知れた武田博士苦心の結晶、潜水艦『富士』である。

武田博士と清少年は、白い作業服を着て、甲板の上に立った。

「さあ、これで、十日ばかり碧海島とお別だ。」

武田博士は、小手をかざして、黒々とそびえ立つ槍岳をあおいだ。

月は、雲の間から、美しい光をもらしている。

富士洞窟の入口の岩の上に、※(「火+華」、第3水準1-87-62)代さんの白い水兵服が見える。その後の一かたまりの人の中に、捕虜になったオーガン大佐もまじっているのだ。

清少年は、両手でメガホンを作って、

「※(「火+華」、第3水準1-87-62)代さあーん。さようなら――」

とさけんだ。

「さようなら――」

かすかに※(「火+華」、第3水準1-87-62)代さんの声がしたと思うと、それが大きい木だまとなって、碧海湾一ぱいにひびきわたった。