轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
しょうわゆうげきたい
昭和遊撃隊
平田 晋策
「少年倶楽部」1934(昭和9)年1月号~12月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 102,452 字 · 208 页
なにしろ敵は恐しい武田博士だ。お父さんは腹の底でかくごをきめているんだよ。アーサー、よくお聞き。みんなが『海賊の歌』をうたっているよ。」
フーラー博士は、くらい顔をして、甲板をながめた。
そこには大勢の士官や水兵たちが肩をくみ、輪をつくって、足拍子をとりながら、別の歌をうたっている。
……海賊の行方もしらず
旗なびかせて出でしまま
かえり来ぬ人ぞあわれ
されど、なげくまじ
海こそ彼の故郷なれ
故郷の墓にねむれ
海賊の子よ……
悲しい悲しいしらべだ。遠い海へ出て行って帰って来ぬあわれな海賊たちを、悲しみとむらうお葬式の歌だ。
「ね、アーサー、海軍の兵隊は海で死ぬものだよ。海がかれらの墓場だよ。」
博士は、アーサー少年の頭をなでた。
「じゃ、飛行隊は空が墓場ですか。」
「そうだ。お父さんの死場所は、あの青空だよ。」
博士は、蒼い瞳をあげて、大空をながめた。うす赤い雲が美しく流れている。アーサー少年は、父博士の胸にもたれて、まるで少女のように、眼を涙でうるませた。
――お父さまは、やはりいい人だ。死をかくごしていらっしゃるのだ。ただお父さまの胸をこがしているのは、東洋人に勝ちたい、日本人を負かしたいの一心なのだ。