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しょうわゆうげきたい
昭和遊撃隊
平田 晋策
「少年倶楽部」1934(昭和9)年1月号~12月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 102,452 字 · 208 页
荒鷲隊は敗れた
君は帯剣のまま東京へ行くんだ。そして、日本人が白人に劣っているか、どうか、よく見て来たまえ。」
と、口々にいたわった。
戦に負けて、狂人のようになったスミス中佐は、青白い顔をみなに向けて、
「そんなことはどうでもいいッ。今に見ろ、わがフーラー博士は、きっときっと復讐をするぞ。その時になって泣面をするなッ。」
と、わめき立てる。
「中佐、しかし、『荒鷲』爆撃隊はもう全滅してしまったんだよ。」
一人の中尉が、気の毒そうに、彼の肩に手をかけた。
「うるさいッ。」
中佐は、荒々しくその手を、ふりはらって、
「そんなことがあるものか。『荒鷲隊』が負けたにしても、フーラー博士が、そんなにむざむざと負けるものか。嘘だ。うそだッ。フーラー博士は、きっときっと生きている。そして君らに恐しい復讐をするぞッ。」
荒鷲隊は敗れた
そうだ。スミス中佐のさけびは嘘でない。
東京湾へ向った荒鷲第一中隊は、木更津の沖で、とつぜん海の中からとび出した潜水艦『富士』におそわれ、防ぐ間もなく全滅してしまったが、ただフーラー博士の乗っている第十三号機だけが、不思議に生きのこったのである。
いま、第十三号機は、伊豆大島の沖を南へ南へ逃げて行く。