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しょうわゆうげきたい
昭和遊撃隊
平田 晋策
「少年倶楽部」1934(昭和9)年1月号~12月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 102,452 字 · 208 页
清少年と代さんは、思わずよりそって、手をとりあった。
この人外境に火の光が見えるッ。――鬼の火か? 又は蛮人の焚くかがり火か?
「怪しいわね。――」
※(「火+華」、第3水準1-87-62)代さんは、蒼くなって、ぶるぶる慄えている。
「あたし達、どうなるんでしょう。どこへ連れて行かれるんでしょう。」
「ぼくも知らないよ。兄さんにきいたって、黙ってろッ、て叱られるんだからね。――」
清君も、すこし色蒼ざめている。
○
二人の少年少女の疑いを乗せたまま『最上』は、なおもぐんぐん奥へ入って行った。
櫓マストの上のブリッジでは、木下艦長と小川航海長と、それから造船大佐の軍服に身をかためたわが武田博士の三人が、真剣な顔をして、海図を見ている。
真夜中の二時ごろ、艦は、狼がしゃがんでいるような変な形をした大きな岩のかげへ、錨を下してとまってしまった。
「とうとう狼岩まで来たね。」
木下大佐が、汗をふきながら小川中佐の肩をたたく。さすがは名航海長小川中佐。三十浬の水門を、よくも乗り切ったものだ。
「御苦労でしたね。僕は胆玉をひやひやさせたよ。」
武田博士も汗を拭いている。