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しょうわゆうげきたい
昭和遊撃隊
平田 晋策
「少年倶楽部」1934(昭和9)年1月号~12月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 102,452 字 · 208 页
勇姿をあらわす昭和遊撃隊
間一髪! 三米以上の大鮫が、すごい牙を光らせて、はね上った。
――鮫の襲撃がもう一秒はやかったら、清君は右の手を噛みちぎられていたにちがいない。
恐しい海だ!――さすがの彼も蒼くなった。
勇姿をあらわす昭和遊撃隊
清少年は、兄大佐に散々叱られた。そして、彼が叱られている間に、碧海湾にたちこめた深い深い朝霧は、だんだん消えて行ったのである。
霧は百五十米の絶壁を、上へ上へと、白い渦をまいて、うすれ行くのだ。
見よ、なんという壮大な眺めだろう。
黒々と湾をかこんで、数十粁の円陣をつくる大絶壁! そのいかめしい姿は、まるで海上の日本アルプスだ。
※(「火+華」、第3水準1-87-62)代さんはうちつづく大絶壁の連峰を見上げながら、去年の夏白馬山へ登って、雄大な飛騨山脈をながめた時のことを想い出した。
「叔父さん、この絶壁の形、なんだかアルプスに似ているわね。――」
かの女は、赤い帽子をかしげて、大佐の顔を見上げた。武田大佐は大きくうなずいて、
「うん、そうだ。だから、海軍でも、あのどっしりしたのを蓮華岳、向うのとんがっているのを槍岳と命名しているよ。」
だが、――今は絶壁の大きさに見とれている時ではない。