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しょうわゆうげきたい
昭和遊撃隊
平田 晋策
「少年倶楽部」1934(昭和9)年1月号~12月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 102,452 字 · 208 页
清君が胸をわくわくさせてそんなことを考えている中に、内火艇はエメラルド色の美しい波をわけて、めざす富士洞窟へさしかかった。
「さあ、来たぞ。――ここが俺の仕事場だ。」
うす暗い洞窟の中へ入った時、武田博士はうれしそうに眼をかがやかした。
大きな岩の壁に電灯がぼォーッと光って、洞窟の中の水は金色にゆらめいている。
奥へ奥へ入って行くと、だんだん入江は狭くなったが、狭くなるのにつれて、富士洞窟の正体は、はっきりとあらわれて来たのだ。
諸君、見よ、こうこうとかがやく電灯に、くまなく照らし出されたのは、大きな造船台ではないか。黒々とそびえ立つクレーンの下に、細長い姿を見せているのは、武田大佐が心血をそそいで造りかけているわが海のライオン、『富士』潜水艦ではないか。
ああ、洞窟の中の秘密工場!
職工たちは、手に手に鉄槌を握り、機械に油をさして、技師長武田博士の来るのを待っているのだ。
入江の波止場に群がったかれ等は、内火艇が入ってくるのを見ると、
「武田大佐、万ざあい――。」
と叫んだ。
その声は、がらんとした洞窟の中にこだまして、なんだか悲しそうに、ながくながくひびいた。