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しょうわゆうげきたい

昭和遊撃隊

平田 晋策

「少年倶楽部」1934(昭和9)年1月号~12月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 102,452 字 · 208 页

青空文庫

――だから武田博士の作業ぶりは、生命がけの真剣さだ。

「作業はじめえ――」

大佐の号令一下、機械は「ごォーッごォーッ」と獣が咆えるような声を立て、職工が振り上げる鉄槌の、鋼鉄を打つ音が、ガンガン岩の壁にこだまして鳴りひびき、青白い電気の火花がパチパチ散り、高熱炉の中では、本多鋼鉄が真紅に焼けただれて、「じゅッじゅッ」とすさまじい音を立てはじめた。

さっきまで鳴りをしずめて、ひそんでいた洞窟の秘密工場は、にわかに戦場のような騒になったのである。

○

しかし、清少年と※(「火+華」、第3水準1-87-62)代さんは、その晩から、もうこの秘密工場を立ち去らなければならなかった。

夕方の六時ごろ、大クレーンの下で働いている二人のところへ、昭和遊撃隊司令官から、にわかに秘密命令が来たのだ。

伝令兵の持って来た赤い罫紙には、

「艦隊命令第十九号。武田清、武田※(「火+華」、第3水準1-87-62)代。右ノ者ハ至急武田造船大佐ノ指揮下ヲ離レ、槍ヶ岳洞窟内ノ旗艦『最上』ニ来ルベシ。」

と、墨くろぐろと、ものものしい文句が書いてある。

「なんでしょう。あたし、心配だわ。