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しょうわゆうげきたい

昭和遊撃隊

平田 晋策

「少年倶楽部」1934(昭和9)年1月号~12月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 102,452 字 · 208 页

青空文庫

『最上』のデーゼル機関は武田博士が、それこそ骨をけずるような苦心をして造ったもので、ドイツが自慢する豆戦艦『ドイッチュランド』のデーゼル機関さえ、全然くらべものにならないのだ。

『最上』はこの優秀な機関を据えつけたために、その行動力は実に七万五千浬という、すばらしい世界記録に達したのだ。

米国の大巡洋艦は一時間十五ノットの速力で、一万五千浬しか航海出来ない。しかも三十三ノットの全速力で走ると、たった二千五百浬で、もう油が切れてしまうのだ。

およそ巡洋艦の機関ほど、重油を贅沢に喰うものはなかろう。ハワイの軍港を出る時に三千噸の重油をつんでいても、途中で少し速力をはやくしたら、小笠原島の沖あたりで、もうそろそろ不足になって来るのだ。

それほど重油は早くなくなるものである。いわば今の軍艦は、息が切れやすいのだ。

ところが、わが『最上』『吉野』は違う。

武田式デーゼル機関は二千五百噸の重油で、七万五千浬走ることが出来る。しかも一時間の速力は二十ノットだ。

全速力の行進をつづけても、二万五千浬は大丈夫である。

なお断っておくが、『最上』の全速力は三十三ノットと公表されているけれど、実は四十五ノット出る。