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しょうわゆうげきたい
昭和遊撃隊
平田 晋策
「少年倶楽部」1934(昭和9)年1月号~12月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 102,452 字 · 208 页
黒色の翼は大蝙蝠の羽のようだ。機首には大きな二つの眼がギラギラ光っている。そして胴体の横腹には、赤い色をした荒鷲が爆弾をくわえている、気味の悪い絵が描いてあるではないか。
この怪物に追いかけられる『最上』は一所懸命だ。四十五ノットの全速力で、矢のように走るのである。
しかし、一分、二分。ついに『荒鷲』は頭の上へやって来た。ああ精鋭『最上』も、とうとうフーラー博士の餌食になるのだろうか?
その時、無線電信のアンテナが、又ぱちぱちと青白い火花を散らした。『荒鷲』からの通信だ。
「『最上』ヨ、汝ノ高角砲ハ役ニ立タヌゾ。」
この無電報告を見て、木下大佐と小川中佐は、じいっと顔を見あわせ、たがいに「うん」とうなずきあった。※(「火+華」、第3水準1-87-62)代さんは心配そうに、美しい眉をひそめて、
「木下の叔父さま。どうして高角砲が命中しないの?」
「敵をおびきよせるためさ。」
「おびきよせてどうするの?」
「君は黙って見ていらっしゃい。」
木下大佐は、怖い顔をして、真鍮のメガホンに口をあて、
「第十三号発射用意っ。」
と、どなった。
「第十三号? 変な名だわ。何かしら?」