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しょうわゆうげきたい

昭和遊撃隊

平田 晋策

「少年倶楽部」1934(昭和9)年1月号~12月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 102,452 字 · 208 页

青空文庫

無礼な挑戦

無礼な挑戦

しかし潜水艦『富士』は、まだやっと設計が出来たばかりだ。横須賀工廠で造るのか、呉工廠でこしらえるのか、造る工場さえまだ決っていないのである。

ところがフーラー博士の黒鷲爆撃機はもう出来ている。アリゾナ高原の秘密工場では第一号機の試験を終って、第二号機、第三号機と続々組立をはじめている。

参謀総長のアーサー大将は、

「黒鷲第十号機が出来上ったら、わが空軍は三日間で、東京を焼野原にすることが出来るのだ。」

と暴言をはいた。

なんという失敬な言葉だろう! しかし、アーサー大将の自慢はけっして嘘ではないのだ。でたらめではないのだ。もしも黒鷲爆撃隊がハワイへやって来たら、わが東京はもう最後だ。十時間もたたないうちに、かれ等の思うがままに、狙い撃ちされるのに決っている!

それを考えると、わが参謀本部や軍令部の将校たちも、黙って歯をくいしばるよりほか仕方がないのだった。

諸君よ。参謀将校たちを意気地なしと思ってはいけない。わが軍事探偵が、苦心に苦心をかさねて探り出した黒鷲爆撃機の戦闘力は、実に身ぶるいのするほど恐しいものだったのだ。

最大速力一時間四百五十粁で、一万八千粁も飛ぶことが出来るのだ。