轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
はくはつき
白髪鬼
江戸川 乱歩
「冨士」大日本雄弁会講談社、1931(昭和6)年4月~1932(昭和7)年4月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 112,046 字 · 224 页
我子に対する愛着など微塵もなく、ただ自分達の罪の発覚を恐れたのだ。
折角産みは産みながら、飛んだ手違いで、あわよくば、子爵家のあと取りにもなれる子を、あと取りどころか、命さえも奪わねばならなかったとは、悪事の報いは、わしの復讐を待たずとも、早そこにも現われていたというものだ。
それから又、相続者のことも考えないで、なぜこのわしを殺す様なヘマをやったか。これは恋に狂った川村のあと先考えぬ独断であったのだ。そのことでは、姦夫姦婦の間に悶着が絶えぬということが、あとで分った。瑠璃子にしては、いやな大牟田敏清を殺してくれたのは有難いが、その為に子爵家の実権を失うのが口惜しかった。あの財産を我がものにして、栄耀栄華が出来ぬのが残念だった。
だが、何が幸いになるか、姦夫姦婦の間にこの悶着があったればこそ、瑠璃子が子爵家の財産を失ったればこそ、わしの復讐計画があんなにも見事に成功したのだ。何ぜといって、瑠璃子が若し、元の様に子爵家の実権を握っていたなら、仮令わしがどれ程の資産を以て誘惑したところで、あの様にたやすくなびかなんだであろうから。
それはさて置き、そうして話し合っている内に、定めの時間が来た。