轻松读懂日语经典作品
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はくはつき
白髪鬼
江戸川 乱歩
「冨士」大日本雄弁会講談社、1931(昭和6)年4月~1932(昭和7)年4月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 112,046 字 · 224 页
この可愛い笑顔が苦悶の為に捻れ歪むのかと思うと、わしは躊躇を感じるどころか、その光景を想像した丈けでも、快さに喉が鳴る程であった。一人の犠牲者を屠って血に狂ったわたしの心は、最早全くけだものになり切ってしまっていたのだ。
わし達は婚礼の式場の事や、明日からの楽しい生活について、色々と語り合ったが、瑠璃子はふとこんなことを云い出した。
「こうしてお話するのも今日限りですわね。あすからは……」
里見夫人として、無尽蔵の財産を自由にする身の上になるのだとは云わなかった。
「それについてね、あたし、何だか気掛りなことがありますの」
「気掛りなこと? アア分った、お前は川村君のことを考えているんだね。あんなにお前を愛していた」
「エエ、それもよ。妙ですわね。あたし旅から帰って一度も川村さんにお目にかかりませんのよ。どうなすったのでしょう」
「お前の留守中に、あの男の歓迎会を開いたことは知っているね。それっ切りわしも逢わないのだよ。伯父さんの遺産相続で成金になったものだから、浮々と、方々遊び廻ってでもいるのだろう」
「そうでしょうか。本当を云うと、あたし昨日、通りがかりに一寸川村さんのお宅へ伺って見ましたのよ。