轻松读懂日语经典作品
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はくはつき
白髪鬼
江戸川 乱歩
「冨士」大日本雄弁会講談社、1931(昭和6)年4月~1932(昭和7)年4月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 112,046 字 · 224 页
肉食獣
だが、皆さん。いくら苦しいからと云って、ピストルか、刃物なら兎も角、燭台などで自殺が出来ると思いますか。あんまりむごたらしい話ではありませんか。
わしはとうとう自殺を思い止まった。そして、その代りに、自殺よりも恐ろしいことを考え出した。
アア、わしはこれ丈けは云いたくない。死ぬ程恥かしいのだ。しかし、嘘があっては告白にならぬ。思い切って云ってしまおう。
わしはね、暗闇の中を、燭台を手にして、ノソノソと這い出したのだ。
少し這うと、並んでいる先祖の棺の内一番手前の一つにぶつかった。
それがわしの目的物であった。わしはいきなり燭台をふり上げて、その棺の蓋の上に打ちおろした。一振り、二振り、やがて、メリメリと音がして、蓋の板が破れた。
皆さん、わしは愈々気が違ったのだ。遠い遠い先祖の野獣に帰ったのだ。わしは、その棺を破って、一体全体、何をする積りであったと思います。
肉食獣
わしはとうとう自殺をあきらめた。そして、自殺をする代りに、実に今思い出しても身の毛もよだつ恐ろしいことを考えついた。
昨日もお話した通り、その墓穴の中には、わしの一家の先祖代々の棺が、ズラリと並んでいた。