轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
はくはつき
白髪鬼
江戸川 乱歩
「冨士」大日本雄弁会講談社、1931(昭和6)年4月~1932(昭和7)年4月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 112,046 字 · 224 页
奇妙な遺産相続
「オオ、お前の姿は実によく変っている。俺の目でも見破ることが出来ぬ程だ」
わしはこの異様な怒鳴り声を聞くと、脳天をぶちのめされた様なショックを感じて、思わず顔を赤らめ、身がすくんでしまった。「お前」というのは無論わしのことに違いない。彼の目は刺す様にわしの黒眼鏡を見つめているのだから。
アア、何という恐ろしい奴だ。この海賊は、誰知るまいと思っていた、わしの大秘密を、たった一目で見破ってしまったのかしらん。
奇妙な遺産相続
だが、警官も群集も、日本語を解せぬらしく、又賊が群衆の内の誰に話しかけたのかも分らぬらしく、
「何だ、何だ。どうしたのだ」
と怪しむばかりだ。
警官の隊長とも覚しき人物が、朱凌谿の肩をこづいて、何か支那語でペラペラ怒鳴った。賊の不謹慎を叱ったのであろう。
すると賊はやっとわしの顔から目をそらし、さりげない体で空を眺めながら、
「オイ、お前は実にうまく姿を変えたなア。俺もそんな変装が出来たら、ムザムザと捕まることもなかっただろう。併し今となっては仕方がない。お前はもう大丈夫だよ。外のものは皆夫々他国へ逃げたから、こうして逢えるのはお前一人だ。