轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

やまうらきよまろ

山浦清麿

吉川 英治

「講談倶楽部 臨時増刊」大日本雄弁会講談社、1938(昭和13)年9月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 45,573 字 · 91 页

青空文庫

『やいっ、田舎鍛冶っ』

『労咳病み。待てっ』

誰か分らないが五、六名はいた。――挨拶がないとか、生意気だとか、悪口を喚きながら、清麿を、袋叩きと集って来たのである。獲物の棒切れか何かが、二つ三つ、清麿の痩せた背骨や、腰に中たった。

不意ではあるし、泥酔していたので、清麿は、大勢の中へ仆れた。――然し、仰向けざまに蹌けながら抜打ちに薙いだ刀に、手応えはあった。次の瞬間、意気地なく、わっと大勢が退いたので、その背の一つへ、追い打ちに、もう一太刀、浴びせかけたのも覚えている。

わらわらと逃げて行った跫音の後は、又、ひっそりと静かになった。坂の途中の閉まっている屋敷門の下で、彼は、その儘、血刀を持った儘、いい気もちで、眠ってしまった。

血臭いので、暫くすると、犬が吠えかかった。それに、眼をさまして、彼は又歩き出したが、寒さにだいぶ酔いも醒めかけていた。坂の上まで来ると、夜鷹蕎麦の灯が見える。よろよろと屋台の中へ首を入れた。

『おいっ、蕎麦』

『へい』

『――じゃあなかった。まず先に、一本かな』

『旦那』

『なんだ』

『血がついて居ますぜ、お手に』

『ほう、成程。……手桶に水はねえか』