轻松读懂日语经典作品
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かげおとこ
影男
江戸川 乱歩
「面白倶楽部」1955(昭和30)年1月号~12月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 154,133 字 · 310 页
小男須原の顔に驚嘆の色が現われた。
「おそろしい度胸だ。わしがもし二発めを撃ったら、きみはほんとうに死んでいたのだぜ」
「ハハハハハ、そこが心理学さ。一発で相手が倒れて、動かなくなったら、二発めは撃たないものだ。犯人は音をたてることを、ひどく恐れるからね。
きみはおれのすり替えておいたピストルで、おれを撃った。きみが撃つだろうということは、ちゃんとわかっていた。だから、おれはしばいの血のりを用意しておいてね、きみがピストルを撃つと、すぐに倒れながら、自分の顔に血のりを塗りつけて、ピストルが顔にあたったように見せかけた」
そこまで聞いても、須原にはまだがてんがいかなかった。
「ちょっと待ってくれ。それはおかしいよ。わしの目の前で倒れたのは、たしかにきみだった。ところが、わしはあのとき、心臓にさわってみたし、手首の脈もとったが、どちらも完全にとまっていた。わしはぬかりなく確かめたつもりだ。それが生き返るなんて、考えられないことだ」
「あれも奇術さ」
「エッ、奇術で脈がとまるのか」
「心臓をとめるのはむずかしい。だから、おれはシャツの中に、胸の形をしたプラスチックの板を当てておいたのだ。