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しょうわゆうげきたい

昭和遊撃隊

平田 晋策

「少年倶楽部」1934(昭和9)年1月号~12月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 102,452 字 · 208 页

青空文庫

二、三合、はげしくわたりあうと、水色機が三機、ひゅーんとかなしげな悲鳴をあげて、きりきりまいながら、もえ落ちて来た。

すごいぞッ。日本空軍!

山口中将は、空中戦にかまわず、『愛宕』『高雄』『妙高』『那智』の四大巡洋艦をひきいて、ぐんぐん敵陣におしよせて行く。

三万米。二万五千米。二万米。――よしッ。

四十門の二十糎砲が、右を向いて、むっくりとかま首を持ち上げた。

戦闘旗が四つ。花のようにひるがえっている。

「射方はじめ」の命令がいつかかるか。ねらいをつけた砲口は、敵のかげを追って、動いている。いまは、弓をぎゅーっとひきしぼったところだ。

敵の砲口も、こちらへむいている。息のつまるようなにらみあいである。二つの戦隊は走りながら、にらめっこしているのだ。

わが艦隊は、なかなか射たない。やがて、A国艦隊はじれったくなって来たらしい。

ええめんどうだッ。敵の砲術長が、かんしゃくをおこしたのだろう。

先頭戦隊の四艦が電のような砲火をひらめかした。

はっと思うと、波をひきさくひびきがして、三十六の大砲弾が、おそいかかった。

近いぞ。弾は、わが戦隊の右二百米のところへ落ちた。