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しょうわゆうげきたい

昭和遊撃隊

平田 晋策

「少年倶楽部」1934(昭和9)年1月号~12月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 102,452 字 · 208 页

青空文庫

「打方やめ。」の命令で、砲声はやんだ。聞えるものは、波の音と、それにまじる信天翁のしゃがれた声ばかり。

夕ぐれの戦場は、墓場のようにしずまりかえった。

しかし、やがて、そのしずかさは破れた。

どこからとなく、万歳の声が起ってきたのだ。

「ばんざあ――い。」

「ばんざあ――い。」

重々しい声だ。神々しい叫だ。このつわものの声は、きっときっと千代田の森まで、そして、戦死者の魂にまで、つよくつよくひびいて行くにちがいない。

※(「火+華」、第3水準1-87-62)代さんも、負けずに叫ぼうとしたが、声がかすれて、ただわなわなと唇がふるえるばかりである。

うれしいのか、悲しいのか、あつい涙がせき上げてきて、とまらない。美しい髪をみだして、とうとうしくしくと泣き伏してしまった。

木下司令官と、小川中佐は、じっと目をつぶって、岩のように動かない。……きっと、陛下の御稜威に謝しまつり、戦死者の霊をとむらっているのだろう。

夕日の影が、赤く赤く『ケンタッキー』の白旗を照らしている。

ああ、これで昭和遊撃隊の任務は終ったのだろうか。太平洋の戦雲は消えたのだろうか。

いや、いや。