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しょうわゆうげきたい

昭和遊撃隊

平田 晋策

「少年倶楽部」1934(昭和9)年1月号~12月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 102,452 字 · 208 页

青空文庫

そして、作業服のポケットから黒い布を取り出すと、

「清、ちょっとこれをかぶっておれ!」

「どうするんです?」

「どうでもいい。黙ってろ。」

むりやりに、目かくしをされて、三十分ほど何も見えず、何も聞えない。

「さあ、よし。」

博士は、目かくしを、とった。

「外を見ろ。」

「ひどいなあ。兄さんは……」

清少年は、恨めしそうに、博士の顔をにらんだが、眼を窓の外へやると、思わず、

「あッ。」と叫声をあげた。

見よ。青白い波が、はるか目の下に、ひろがっているではないか。そして、八丈島らしい島かげも、ぼんやりと下の方に見えるではないか。

「清。驚いたか。」

博士は、科学者らしい眼をかがやかして、愛する弟の肩に手をやった。

「ううう……」

清少年は、どもりのように、唇をふるわすばかりだ。

ああ、怪物『富士』の正体は、

飛行潜水艦

だったのだ。博士が悩んでいた「肝心のあの点」とは、飛行することだったのだ。ふくれ上った舷には、翼がかくされていたのだ。いまは、大きな翼が、左右にひろがっている。

翼からパッパッと青白い火花が散ってゆく、ロケットの火だ。ああ『富士』はロケットの力で天かけるのだ。