轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

しょうわゆうげきたい

昭和遊撃隊

平田 晋策

「少年倶楽部」1934(昭和9)年1月号~12月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 102,452 字 · 208 页

青空文庫

航空母艦『オリオン』が一ばんに白旗をかかげた。つづいて、運送船がわれもわれもと白旗をひるがえす。源氏の白旗は弓矢の武名をあらわして勇ましいが、この白旗は、あまり名誉なしるしではない。

「われ降伏す。」

情ない降参の旗だ。

この上、弱い者いじめをしたくない『富士』は、かれらの降伏をゆるした。

「降伏を許す。東京湾観音崎沖へ行け。われ海中より監視す。不穏(おだやかでない)の行動あるものは、ただちに撃沈する!」

『富士』は、かれらに命令を下しておいて、急に舳をぐっと下げ、羽ばたきして海の上へとび降りた。

サッとしぶきが上ったと思うと、もうその姿は波間に消えてしまった。潜水したのだ。

飛行艦『富士』が、潜水艦『富士』に早変りしたのだ。

A国の運送隊は、狐にだまされたような気がして、しばらくぼんやりしていたが、やがて舵を西南にとって、観音崎めがけて進み出した。

変な捕虜だ。黒潮の波が、あざけるように、かれらの舷を打つ。くやしい、残念だ。

しかし、うっかり逃げ出すことは出来ない。怪物『富士』は、海の中から、じっと警戒の眼を光らしているのである。

――やがて、敗残の二十一隻は、観音崎の沖で、わが駆逐隊に正式に捕獲された。