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しょうわゆうげきたい

昭和遊撃隊

平田 晋策

「少年倶楽部」1934(昭和9)年1月号~12月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 102,452 字 · 208 页

青空文庫

――「ああ清さん、どうか生きていて下さい。」

※(「火+華」、第3水準1-87-62)代さんは、岸べの岩かどに、顔を伏せて、心で神を念じるのだった。

その時だ。『荒鷲』第十三号機が、にくにくしい姿を、島の上空にあらわしたのは。

「荒鷲だッ。」

「フーラーが来たぞッ。」

守備隊の水兵は、すぐに防毒面をかぶって、すばやく穂高岳の上の、高角砲陣地についた。しかし、敵を油断さすために、はやる心を、じっとこらえて、なかなか火ぶたを切らない。

敵機は、絶壁の上をすれすれに飛んでいたが、

「あッ。」

爆撃だ。爆弾は富士洞窟のすぐ前へ落ちた。

ごごオーッ、恐しい音がした。――※(「火+華」、第3水準1-87-62)代さんは、じーんと耳鳴がして、思わず岩にしがみついた。

しぶきが水兵服の背中をつめたくぬらす。

――ああやはり、『富士』は負けたんだわ。なつかしい清さん、あなたはとうとう太平洋のどこかで、なくなってしまったのね。くやしいわ、あたし、ああどうしたらいいんだろう。――

※(「火+華」、第3水準1-87-62)代さんは、つづいておこる第二の爆音を聞きながら、くやしさに身をふるわして、絶え入るように、さめざめと泣くのだった。