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しょうわゆうげきたい

昭和遊撃隊

平田 晋策

「少年倶楽部」1934(昭和9)年1月号~12月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 102,452 字 · 208 页

青空文庫

『秋津洲』は、潮風に旗なびかせて島を去った。

わが『富士』は、すこし後れてから、碧海湾の波に名残を惜しみながら、槍岳の峰をかすめて、北へ向った。

太平洋の空は、朝やけでまっ赤である。海はなめらかにひろがり、はるか水平線の上に白くうかぶは芙蓉の峰、――富士山だ。

煙のなびく大島の沖にさしかかった時、見下すと、昭和遊撃隊の三隻が、小さく美しい単縦陣をつくって、白波の尾をひきながら進んでいる。

「まるで絵のようね。美しい凱旋だわ。」

※(「火+華」、第3水準1-87-62)代さんが、よろこびの涙をうかべて、清君の耳もとでささやいた。

「おや、あちらにも艦隊が見えるぞ。」

清君の指さす北の水平線に、点々とうかび上って来たのは、これぞわが勝利海軍の精鋭、日比谷中将のひきいる『陸奥』『扶桑』『金剛』『伊勢』の四大戦艦だ。

ああ太平洋の朝まだき。神州を守るくろ鉄のうき城は、舳に白く波をけり、わが無敵の『富士』は、翼をひろげて、凱旋の羽ばたきをするのである。

神州必不滅也――日本はほろびない。

見よ。しずしずとさしのぼる旭は、霊峰富士の頂に、金色の光を放っているではないか。