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しょうわゆうげきたい

昭和遊撃隊

平田 晋策

「少年倶楽部」1934(昭和9)年1月号~12月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 102,452 字 · 208 页

青空文庫

の甲板から、さらわれたのである。

「しまったッ。」

と叫んだが、もうおそい。そのままずうーっと底の方へ引きこまれて、やがて、又、自然に、すうーっと浮き上った。

海水が眼にしみて、チカチカ痛い。胸が苦しい。

山のような怒濤にぐうーっと持ち上げられては、たちまち又、谷底のような波間へつき落されるのだ。

どんなに泣いたって、叫んだって、『八島』は、海底深く潜ってしまったのだ。自分だけが、ただ一人、この恐しい荒波の中へとり残されたのだ。

くらいくらい空には『荒鷲』がうなりながら、飛んでいる。

「ああ、これが僕の最期なのか。」

清君は歯をくいしばって、だんだん凍えてくる手で、必死に水をかきわけた。

年老いた東京のお母さまの顔が、雲の中にぼんやりと浮かんで見える。

「お母さま、さようなら。」

清君は、じっと眼をふさいで、覚悟をきめた。

○

フーラー博士が、救命袋を投げたのは、この時である。

清君は、つかれた体を動かして、やっと救命袋にすがりついた。小さい箱がくくりつけてある。氷砂糖の箱だ。

水に濡れてよくわからないが、表にペンの走書がしてある。

「勇敢なる日本の水兵よ。