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しょうわゆうげきたい

昭和遊撃隊

平田 晋策

「少年倶楽部」1934(昭和9)年1月号~12月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 102,452 字 · 208 页

青空文庫

――こうして敵は殺したが、焼けた紅玉島はもう元通りにはならぬ。

わがA国海軍は一大根拠地をこわされてしまったのだ。その罪は油断した自分にある。要塞司令官として穴に入りたいほど恥ずかしい。

自分は死んで、この罪をわびたい。

ああ神よ。A国を守りたまえ。わが友人ヤーネル大将の太平洋艦隊を守りたまえ」

この『かき置』を残してハリガン中将は自殺したのである。昔、わが海軍に負けて、毒をのんで死んだ支那の丁汝昌提督のように、敵ながら気の毒な将軍ではないか。

だが、それにしても、ラノン海賊は、よく戦ったものである。重油タンクを爆発さしたのは、実にいい計略だった。

関矢一郎は銃殺されたけれど、その名はながく戦いの歴史に残されるだろう。

○

諸君、紅玉島は海軍の根拠地として、大して役にたたなくなった。A国の守備隊は黒々とした焼野原をながめて、ぼんやり気が抜けたようになっている。しかし、まだ拍手をしてはいけない。

ヤーネル大将の大艦隊は、一隻も傷つかずに、今や東京をめがけてぐんぐん攻めて来ているのだ。

黒潮は荒れている。

鯨は悲しそうに泣いている。

太平洋の戦雲は、いよいよ暗くなって来るのだ。