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しょうわゆうげきたい

昭和遊撃隊

平田 晋策

「少年倶楽部」1934(昭和9)年1月号~12月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 102,452 字 · 208 页

青空文庫

あっ、駆逐艦の底をくぐった。

大胆な北浦少佐は、敵の本陣へせまる決心らしい。虎の穴へ入って行かなければ、虎の子を獲ることができない。生命を惜しんで戦闘に勝てるものか。大きな敵を沈めることが出来るものか。

『千代田』はぐんぐん突進した。よし、浮き上れ。

ぬっと潜望鏡の頭をつき出すと、すぐ眼の前に『アマゾン』の大きな図体が、にゅうとあらわれた。

「射て!」

われ鐘のような少佐の号令だ。清君は無我夢中で発射ボタンをぐっと押した。

銀色の五十二糎呉式電気魚雷は、びりびりッとふるえながら、飛び出した。つづいて、もう一本。

「射て!」

疾風のような攻撃だ。まるで鮫か鯱がパッと波をけって飛び上り、あッと思う間に、もう水底ふかくかくれてしまうように、わが『千代田』も、魚雷の発射が終ると、目にもとまらぬ速さで、底へ底へ潜って行った。これが北浦少佐式の戦闘のやり方である。

上の方で、かすかにどど――んと爆音が聞える。

「はは……、しめ、しめ。手ごたえがあったぞッ。」

少佐は初陣の手柄だからうれしそうだ。清君も、大きな任務をはたしたものだから、心臓の血が、どきどきとおどっている。