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さいしゅうせんそうろん

最終戦争論・戦争史大観

石原 莞爾

石原莞爾『最終戦争論・戦争史大観』。同一底本的分册已合并为一书。收入:最終戦争論、戦争史大観。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 154,783 字 · 305 页

青空文庫

第三 会戦指揮方針の変化

五 長期戦争は現今、戦争の常態なりと一般に信ぜられあるも、歴史は再び決戦戦争の時代を招来すべきを暗示しつつあり。しかして将来戦争は恐らくその作戦目標を敵国民となすべく、敵国の中心に一挙致命的打撃を加うることにより、真に決戦戦争の徹底を来たすべし。

第三 会戦指揮方針の変化

一 会戦指揮の要領は、最初より会戦指導の方針を確立し、その方針の下に一挙に迅速に決戦を行なうと、最初はまずなるべく敵に損害を与えつつ、わが兵力を愛惜し、機を見て決戦を行なうとの二種に分かつを得べし。

二 しかして両者いずれによるべきやは、将帥及び軍隊の特性と当時の武力の強靭性いかんによる。

ギリシャのファランクスは前者に便にして、ローマのレギヨンは後者に便なり。これ主として両国国民性の然らしむるところ。ギリシャ民族に近きドイツと、ローマ民族に近きフランスが、欧州大戦初期に行なえる会戦指導方針と対比し、ここに面白き対照を与う。また、その使用せる武力の性質によりしといえども、ドイツ民族より前者の達人たるフリードリヒ大王を生じ、ラテン民族より後者の名手たるナポレオンを生じたるは、必ずしも偶然とのみ称し難きか。