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さいしゅうせんそうろん

最終戦争論・戦争史大観

石原 莞爾

石原莞爾『最終戦争論・戦争史大観』。同一底本的分册已合并为一书。收入:最終戦争論、戦争史大観。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 154,783 字 · 305 页

青空文庫

第二節 両戦争と政戦略の関係

その争いに国家の有するあらゆる力を用うるは当然である。平時の争いに於ても武力は隠然たる最も有力なる力である。外交は武力を背景として行なわれる。

この国家間の争いの徹底が戦争である。戦争の特異さは武力をも直接に使用する事である。すなわち戦争を定義したならば「戦争とは武力をも直接使用する国家間の闘争」というべきである。

武力が戦争で最も重要な地位を占むる事は自然であり、武力で端的に勝敗を決するのが戦争の理想的状態である。しかし戦争となっても両国の闘争には武力以外の手段も遺憾なく使用せられる。故に戦争遂行の手段として武力および武力以外のものの二つに大別出来る。

この戦争の手段としての武力価値の大小に依り戦争の性質が二つの傾向に分かれる。

武力の価値が大でありこれが絶対的である場合は戦争は活発猛烈であり、男性的、陽性であり、通常短期戦争となる。これを決戦戦争と名づける。

武力の価値が他の手段に対し絶対的地位を失い、逐次低下するに従い戦争は活気を失い、女性的、陰性となり、通常長期戦争となる。これを持久戦争と命名する。

第二節 両戦争と政戦略の関係

戦争本来の真面目は武力をもって敵を徹底的に圧倒してその意志を屈伏せしむる決戦戦争にある。