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さいしゅうせんそうろん

最終戦争論・戦争史大観

石原 莞爾

石原莞爾『最終戦争論・戦争史大観』。同一底本的分册已合并为一书。收入:最終戦争論、戦争史大観。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 154,783 字 · 305 页

青空文庫

第三篇 戦争史大観の説明

第一章 緒論

第一節 戦争の絶滅

(昭和十五年十二月三十一日)

第三篇 戦争史大観の説明

第一章 緒論

第一節 戦争の絶滅

東西古今、総ての聖賢の共同理想であり、全人類の憧憬である永久の平和は、現実問題としては夢のように考えられて来たのである。しかし時来たって必ず全人類の希望が達成せられるべきを信ずる。固より人類の闘争本能を無くすることは不可能であるから、この希望は世界の統一に依ってのみ達成せらるるであろう。最近文明の急速な進歩はその可能を信ぜしむるに至った。

世界統一の条件として考えられるものは大体次の三つである。

1 思想信仰の統一。

2 全世界を支配し得る政治力。

3 全人類を生活せしむるに足る物資の充足。

心と物は「人」に於て渾然一体である。その正しき調和を無視して一方に偏重し、いわゆる唯心とか唯物とかいう事はむずかしい理屈の分からぬ私どもにも一方的理屈である事が明らかである。しかし心と物は平等の結合ではなく、どこまでも心が主であり物が従である。思想や信仰の観念的力をもってして人類の戦争を絶滅する事が不可能である事は数千年の歴史の証明するところであるが、戦争の絶滅に思想信仰の統一が絶対に必要であり、しかもそれが最も根本的の問題である事は疑うべからざるところである。