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さいしゅうせんそうろん

最終戦争論・戦争史大観

石原 莞爾

石原莞爾『最終戦争論・戦争史大観』。同一底本的分册已合并为一书。收入:最終戦争論、戦争史大観。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 154,783 字 · 305 页

青空文庫

明治四十二年末、少尉任官とともに山形の歩兵第三十二連隊から若松に転任した私は、私の一生中で最も愉快な年月を、大正四年の陸軍大学入校まで、この隊で過ごしたのである。いな、陸軍大学卒業までも、休みの日に第四中隊の下士室を根城として兵とともに過ごした日は、極めて幸福なものであった。

私自身は陸大に受験する希望がなかったのであるが、余り私を好かぬ上官たちも、連隊創設以来一名も陸大に入学した者がないので、連隊の名誉のためとて、比較的に士官学枚卒業成績の良かった私を無理に受験させたのである。私の希望通り陸大に入校しなかったならば、私は自信ある部隊長として、真に一介の武人たる私の天職に従い、恐らく今日は屍を馬革に包み得ていたであろう。しかるに私は入学試験に合格した。これには友人たちも驚いて「石原は、いつ勉強したか、どうも不思議だ」とて、多分、他人の寝静まった後にでも勉強したものと思っていたらしい。余り大人気ないので私は、それに対し何も言ったことはなかったが、起床時刻には連隊に出ており、消灯ラッパを通常は将校集会所の入浴場で聞いていた私は、宿に帰れば疲れ切って軍服のまま寝込む日の方が多かったのである。